大人のためのプレ・カンファレンス講座
YGMF Vo.3_大人のためのプレ・カンファレンス講座「世界計算力学会議 WCCM-APCOM 2022編~計算力学って何を計算しているの?~」
2022年7月31日から8月5日にかけて、パシフィコ横浜を会場に「第15回世界計算力学会議 WCCM-APCOM2022」が開催されるのに先駆けて、 素人のための計算力学講座を企画しました 。(※その後、残念ながら、COVID-19パンデミックによる入国規制をうけ、WCCM-APCOM2022はオンライン開催となることが決定されました。)
横浜市が主催する「次世代育成プログラム」は、市内で開催される国際会議や展示会の開催に合わせて、主催者の皆様のご協力を得て、子供たちを対象とした講演やワークショップを開催するものですが、そこで子供たちに披露されるお話は、発見と驚きに満ち溢れ、大人たちの目も大きく見開かせてくれます。
このフォーラムでは、 「大人のためのプレ・カンファレンス講座」として、会議を主催する先生方に「計算力学」という研究分野についてご紹介いただきました。会議・イベントをサポートする我々にとって、会議の本来の“目的”への理解を深め、どのように会議の成功に資することができるか、どのように会議の開催意義を地域に還元することができるか、を考える機会となることを期待します。
ご登壇は、WCCM-APCOM2022組織委員会 議長、東京大学の越塚誠一教授、WCCM-APCOM2022組織委員会 事務局長および副議長の東北大学の寺田賢二郎教授、そしてサイバネットシステム株式会社の井上 岳氏。
越塚先生と寺田先生はそれぞれ、ご専門である流体力学、固体力学の考え方やその可視化の方法(コンピューターグラフィックで計算結果をどう描き出すか)、さらにはそうしたシュミレーション手法がモノづくり、映画産業、医療、災害対策、さらにはコロナ対策といった分野にどのように展開されているのか、予測以外にもシュミレーションをつかった検証にも用いられることを、例を挙げながらご説明いただきました。
例には、京コンピューターを用いた東日本大震災時の福島第一原子力発電所への津波被害や、建物破壊の再現シュミレーションなども。シュミレーションは、「プログラムを書いてコンピューターに計算させること」とのことですが、コンピューターは四則演算しかできないため、本来は複雑な微分方程式で表すべき世界を近似値に直していく、そのコンピューターに計算させるための計算式に直していくところの手法を研究されている、ということなのですね。井上氏には、さらにCAEソフトによるシュミレーションを会場にて実演いただき、少しだけ、計算力学の世界を垣間見ることができたように思います。
越塚 誠一 教授
東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻
WCCM-APCOM 2022 議長
寺田 賢二郎 教授
東北大学 災害科学国際研究所 教授・所長補佐
WCCM-APCOM 2022事務局長・副議長
井上 岳 氏
サイバネットシステム株式会社 CAE第1事業部 技術支援部 部長)